SBI Ripple Asiaは7日、パブリックブロックチェーン「XRP Ledger(XRPL)」を基盤とするトークン発行インフラの開発完了を発表した。同社は3月26日付で、資金決済法に基づく第三者型前払式支払手段発行者としての登録も完了しており、規制準拠の形でブロックチェーン上における決済トークンの発行が可能となった。
今回開発されたシステムは、既存のアプリケーションやウェブサイトとAPIで接続することにより、ブロックチェーン上でのトークン発行・管理を実現する仕組みだ。事業者は既存のサービス基盤や顧客接点を維持したままトークン機能を実装でき、利用者も従来のサービス体験を変えることなくデジタルアセットを保有・利用できる構成となっている。
システムの技術面では、XRPLの高速・低コスト処理能力に加え、同社が独自に開発したウォレット制御技術を組み合わせている。また、第三者型前払式支払手段に求められる各種金融規制要件への対応を前提に設計されており、法的整合性と技術実装の両立が図られている点が特徴だ。
同社は3月26日付で、第三者型前払式支払手段発行者としての登録を金融当局に完了させた。第三者型前払式支払手段とは、発行者以外の加盟店でも利用可能な電子マネーやプリペイド型の支払手段を指し、交通系ICカードや商業施設で用いられるポイント・ギフトカード類が代表例として挙げられる。
今回の登録により、同社はトークン化された第三者型前払式支払手段を法的根拠のある形で発行することが可能となった。パブリックブロックチェーン上で資金決済法に準拠した支払手段を実装する事例は国内においてもまだ限定的であり、制度面での先行事例として注目される。
同社が描く展開としては、観光地をはじめとする特定の経済圏において、消費行動とデジタルインセンティブを連動させるユースケースへの活用が念頭に置かれている。ポイントプログラムや地域通貨的な機能をブロックチェーン上で実装し、既存の決済インフラとも連携させることで、コスト効率やサービス拡張性の向上を目指す方向性だ。
同社は今後も、規制に準拠したブロックチェーン技術の社会実装を推進し、パートナー企業や地域との連携を通じた新たなビジネスモデルの構築に取り組む方針を示している。XRPLを活用した金融インフラの実用化が、国内の決済・インセンティブ領域にどのような変化をもたらすか、今後の動向が注目される。