イーロン・マスク氏がAIによる高度金融職の代替を警告する動画を共有した。登壇者のケン・グリフィン・シタデルCEOは、エージェントシステムが博士号レベルの作業を数時間でこなすようになったと述べた。
グリフィンCEOはスタンフォード大学で発言した。AIのツールキットはわずか9か月で格段に強力となり、高度な専門職への影響に懸念を示した。
長年AIに懐疑的だったグリフィンCEOは、同社の資産運用で運用体制が変化していると認めた。従来、修士号や博士号を持つ人材が数週間から数か月かけて行っていた業務が、今では数時間から数日で完了するようになったと述べた。
Xで最新ニュースをチェック
シタデルのグリフィンCEOはスタンフォード大の学生に対し、金曜に帰宅した際「かなり落ち込んだ」と明かした。この変化を自社で目の当たりにし、初めてAIの大規模な影響を実感したという。
シタデルは以前より、トップレベルの数学や物理学プログラム出身のクオンツ研究者を多数採用してきた。今回の発言は、AIがこの優秀な人材市場に直接競争を持ち込んでいる現状を示す。
シタデルの事例は、2026年を見据えたより大きな潮流と重なる。テック企業は今年、AIを理由とした解雇が数千人規模にのぼったと公表しており、エージェントシステムの導入が人員削減を加速させている。
マスク氏自身もかねてより、AIが長期的には大半の有給労働をなくすと主張してきた。ただし、実現時期についてはアナリスト間でも見解が分かれている。
a16zが最近実施した主要4調査の総括によれば、AIが雇用全体を大規模に消滅させる現象はまだ起きていないとされる。現状では、職種のごく一部業務に影響が集中している。
一方で暗号資産ネイティブ企業は、エージェントによる直接取引・決済に基づくプロダクト計画を描く。コインベースやマイクロソフトなどの大手も、最近の人員削減をAI強化型の小規模チームへの転換と位置づけている。
この急激な生産性向上が年末まで持続するかに、グリフィンCEOの「金曜憂鬱」が金融業界全体に波及するかがかかる。今後の決算発表で、どの企業がAI主導のコスト削減効果を数値化するかが明らかとなる。
投資家はまた、シタデル自身が博士号レベルの業務をエージェントに任せることで、どれだけ余力を生み出したかの詳細公表にも注目する構え。

