ファッション大手ザランドの株価は6月26日に約7%下落した。ドイツの金融規制当局であるBaFinが同社の2025年の財務諸表について正式な審査を開始したためである。
この調査は、ザランドが2025年に独オンラインファッション小売業者アバウト・ユーを約12億ユーロで買収した件に関連している。BaFinによると、ザランドが関連当事者取引に関する必要情報を財務注記に記載していなかった疑いがあるとされる。
関連当事者取引とは、企業と関係の深い人物や企業が関与する取引を指す。これらの開示は、企業が重要な財務関係を適切に情報開示しているかを投資家が判断する上で不可欠となる。
BaFinは今回の調査がザランドの不正を意味するものではないと強調した。監査人が会計を審査し、手続き完了後に結果を公表する方針。
それでも発表は投資家心理を冷やした。ザランド株は取引序盤に最大8%下落し、その後やや回復したが、終値は約7%安の24.72ユーロ前後となった。
ザランドは懸念に反論した。同社は「形式的かつ実質的に重要性は低い問題」と説明し、「BaFinと緊密かつ建設的な対話を継続している」と述べた。
また、今回の買収関連の詳細は2025年7月に完了した公式な買収手続きを通じて既に公開済みだとしている。
ザランドにとってタイミングは厳しい。同社は2026年第1四半期に8760万ユーロの最終赤字を計上した。前年同期は黒字だった。アバウト・ユー買収と構造改革に伴うコストが業績を圧迫した。
一方で売上高は前年比23.8%増の29億9000万ユーロとなり、通期見通しは据え置いている。
当面の最大の課題は不透明感である。問題は軽微とする同社の説明にかかわらず、投資家はBaFinの審査の行方を注視する構え。


