バイビット（Bybit）、Archaxとの提携で2年ぶりに英国仮想通貨市場に復帰

バイビットが2年ぶりに英国仮想通貨市場に復帰

ドバイに本拠を置く仮想通貨取引所バイビット（Bybit）は、FCA（金融行動監視機構）に準拠した体制の下、英国ユーザー向けに100のスポット取引ペアを提供するとともに、英国での事業を再開した。

CoinDeskの報道によると、バイビットは2025年12月18日（木曜日）、100通貨ペアのスポット取引を含む英国での取引を再開。同取引所は2023年10月に導入されたFCAの規制により、複数の仮想通貨関連企業が英国での事業を停止させていた。この制度では、仮想通貨広告に対する厳格な基準、初回投資家向けのクーリングオフ期間、インセンティブ型マーケティングへの制限が課せられていた。

当時、同取引所は事業停止により社内プロセスを見直し、英国の規制当局の期待に完全に応えられるようになった時点で事業を再開できると主張しており、今回の再開は突発的な方向転換ではなく、計画的な事業再開と位置付けとみられる。

英国政府は、FCAが英国居住者に対する仮想通貨サービスの広告方法を精査する中で、英国政府が2027年までにより包括的な仮想通貨に関するルールブックを2027年までに策定する意向を示している。今回の復帰は、英国の仮想通貨監督に対するアプローチの進化を浮き彫りにしており、プロモーション規則の厳格化や、2027年までに完全な仮想通貨ルールブックを策定するためのロードマップなどが含まれている。

コンプライアンス重視のArchaxの体制が事業再開を支える

今回、FCA認可のデジタル証券取引所であり、金融プロモーションコンプライアンスのカストディアンでもあるArchaxとの提携を通じて運営される。

バイビットは英国での事業再開にあたり、FCA認可のデジタル資産取引所、ブローカー、カストディアンであるArchaxに依頼することで、英国の顧客へのサービス提供を継続しながら、英国の金融プロモーションおよび監督要件を満たす。この体制により、英国のユーザーに提供される商品はArchaxの規制許可に基づいて宣伝されるため、FCAは明確な監督体制を敷くことができ、多くの未登録のオフショアプラットフォームよりも体系的な保護をユーザーに提供できる。

バイビットの政策チームは、英国は洗練された金融エコシステムと明確な規制指針を持つ市場であると位置付け。透明性とコンプライアンスを最優先にしながら、英国のユーザー向けにカスタマイズされた商品を導入していく意向だと述べている。

FCAによるプロモーションへの厳格なアプローチに加え、英国は2027年までに仮想通貨ルールブックを制定する意向を示している。仮想通貨取引所にとり、明確な運営環境への期待が高まっているが、マーケティング基準は短期的には消費者向け活動の重要なゲートキーパーであり続ける。

業界関係者は、今回の合意は、世界的に金融プロモーション監督体制が進化する中で、大手グローバル仮想通貨プラットフォームが直接的な規制認可を受けずに英国に再参入する上での新たなルートとなると見ている。