- 相場は弱気相場後半の調整・停滞フェーズにあり、下落圧力は鈍化している
- 新規クジラ主導の実現損失はピークアウトし、短期保有者の投げも拡大していない
- 需要は依然弱く、次の焦点は「売りの再開」ではなく「どの層が拾い始めるか」
現在のビットコイン(BTC)市場は、弱気相場の後半に位置する調整・停滞フェーズと整理できる。方向性としては依然として弱気が優勢だが、下落圧力はピークアウトしつつあり、売りが一方向に加速する局面ではない。
構造面では、ビットコインが歴史的に見て「売られ過ぎ」と判断される水準に到達した事例は過去6回に限られる。今回の下落は124Kドルから84Kドルにかけて、新規クジラによる大規模な実現損失が主導した。添付のオンチェーンデータでは、新規クジラの実現損失が集中した後、直近ではその規模が縮小し、横ばいに転じている。これはキャピチュレーションが一巡した可能性を示す。
短期保有者SOPRは1を下回る状態が続いているが、直近では下方向への加速は限定的で、損失確定売りが連鎖的に拡大している状況ではない。短期勢の投げ余地が縮小し、需給が一時的に膠着している局面と解釈できる。
一方で、需要は依然として弱い。市場センチメントは指数29とFEAR圏にあり、恐怖は後退したものの回復には至っていない。また、1BTC以上を保有するウォレット数は減少しているが、やや大きめの保有層ではBTC残高が増加しており、保有の集中と再配分が進行している。
反対シナリオとして、短期保有者の損失確定が再び拡大し、新規需要の不在が続く場合、調整が長期化する可能性は残る。現時点では売り圧力が落ち着き、需要回復を待つ局面がベースシナリオ。
ただし、短期保有者の投げが再加速し、需要指標の悪化が確認される場合、この見方は見直す必要がある。
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