米国がクリスマス休暇だったこともあり、25日のビットコイン
BTC市場は非常に落ち着いた値動きだったが、日本時間26日午前から価格が急騰し、9万ドルに迫った。複数のアナリストは依然として下値リスクを警戒しているが、オンチェーンデータからは短期的な強気シグナルも確認されている。
オンチェーンデータのFutures Taker CVD(先物累積取引量デルタ)から約5カ月ぶりのポジティブな兆候が確認された。
Futures Taker CVD 出典:CryptoQuant
先物累積取引量デルタとは、市場買い量(テイカー買い)と市場売り量(テイカー売り)の90日間分の累積から相場の方向性を測る指標で、グリーンは買い優勢、レッドは売り優勢、グレーは中立状態を示す。この指標が約5カ月ぶりに買い優勢となったのだ。
歴史的に、先物累積取引量デルタが中立から買い優勢に転じたタイミングで、大きくトレンド転換するケースが頻繁に見られる。また、大きなトレンド転換とならずとも、短期的な反発局面となっているケースがほとんどなため、直近の展開にも期待したいところだ。
一方、投資データ分析プラットフォームAlphractal(アルフラクタル)のCEOであるジョアン・ウェドソン氏は26日、自身のXにて「ビットコインの調整プロセスがまだ終わっていない可能性がある」との見解を投稿した。
ウェドソン氏は「ビットコイン価格が現在より上の水準で推移した合計日数」が340日であることに着目。歴史的に弱気相場の底値は、この数字が700〜800日の範囲に近付いたタイミングで形成される傾向にあり、現段階ではその数値にほど遠い状況であると指摘した。
このパターンが繰り返されるならば「ビットコインは2021年当時の最高値である約6万9,000ドルを再び試す可能性を無視することはできない」とウェドソン氏は投資家に呼びかけている。
暗号資産(仮想通貨)トレーダーのDaan Crypto Trades氏は26日、自身のXにて「近いうちに大きなボラティリティが発生する可能性がある」との予測を共有した。
ビットコインは現在、わずかに安値を切り上げている一方で、4時間足の200MA/200EMAのレジスタンスが上値を抑えており、値幅が徐々に圧縮される展開が続いている。このように上下から挟まれ、エネルギーが蓄積され続けた結果「近い将来、5〜10%規模の比較的大きな値動きが発生する可能性が高まっている」と指摘。
この圧縮局面が解消され、相場の方向性がはっきりしてくるのは、1月に入ってからになるとDaan氏は分析する。上方向では、9万4,000ドル付近のレジスタンスが重要な分岐点で、ここを明確に上抜ければ流れは再び強気に傾き、10万ドル超えへの回帰が視野に入ってくるとのこと。
一方で下方向のリスクも無視できない。もし8万ドルを割り込み、4月の安値水準を下抜けるような展開となれば、相場は一段深い調整局面に入る可能性がある。これらの水準は「2025年Q1における、最も注目すべき価格帯として意識されるだろう」とDaan氏は結論づけた。
ビットコインは約1カ月にわたり狭いレンジ帯で落ち着いた値動きを見せているが、依然大きなボラティリティや下値リスクを抱えている点には注意が必要だ。一方、比較的再現性の高い強気シグナルも見られているため、短期的にはやや優位性が高い局面ともいえる。
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