セキュリティ・トークン(ST、デジタル証券)市場への関心が、プレイヤーの広がりとともに高まりつつある。

デジタル証券株式会社(DS社)は12月26日、シリーズAラウンドの3rdクローズとして総額3億円の資金調達を完了したと発表した。出資者には、日本郵政キャピタル、農林中金キャピタルといった金融系VCに加えて、ホリプロ・グループ・ホールディングスが名を連ねた。リリースによると、設立以降の累計調達額は15億円となった。

同社は2025年9月、個人投資家向けに不動産などをセキュリティ・トークン(ST)として発行・管理する資産運用サービス“デジタル証券「renga」”の提供を開始した。

12月には、第1号案件となる不動産STが約14億円の募集を完了し、運用を開始した。将来的には、rengaをはじめ、さまざまなSTを取り扱う「デジタル証券のマーケットプレイス」構築を目指している。

alt 〈リリースより〉

2025年のセキュリティ・トークン市場は、300億円規模の大型案件の登場、STに特化した信託会社の設立、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の参入によって国内5大証券がすべて揃うなど、堅調な成長を見せた。

12月に開催された「デジタル証券フォーラム2025」でも、案件の大型化やアセットの多様化、ステーブルコインを活用した決済の自動化などが議論され、市場の広がりを印象づけた。

|文:増田隆幸
|画像:リリースより