BTC保有世界最大手のストラテジー(旧マイクロストラテジー、MSTR)は29日、12月22日から28日の期間に1,229BTCを約1億880万ドル(約170億円)で追加購入したと発表した。同社が米証券取引委員会(SEC)に提出したフォーム8-Kで明らかにした。
今回の購入における平均取得単価は手数料および経費を含め約88,568ドル(約1,388万円)だった。資金調達は同社の随時売出しプログラム(ATM)を通じた普通株式(クラスA普通株)66万3,450株の売却により行われ、約1億880万ドルの純収入を得た。
ストラテジーは現在、4種類の優先株式と普通株式をナスダック・グローバル・セレクト・マーケットに上場している。今回のATMプログラムでは普通株式のみが売却され、STRF、STRC、STRK、STRDの各優先株式は売却されなかった。
今回の購入により、ストラテジーの累計ビットコイン保有量は67万2,497BTCに到達した。累計購入額は約504億4,000万ドル(約7兆9,090億円)で、累計平均取得単価は手数料および経費を含め約74,997ドル(約1,175万円)となる。
同社は2020年8月からビットコインのトレジャリー戦略を開始し、約5年間で世界最大のビットコイン保有企業となった。67万2,497BTCはビットコインの総供給量2,100万BTCの約3.2%に相当する規模だ。
同社は自社ウェブサイト(www.strategy.com)にダッシュボードを設置し、ビットコイン購入状況や保有量、主要業績指標、株式の市場価格などの情報を公開している。投資家や一般に向けた非排他的な情報開示チャネルとして活用されており、レギュレーションFDに基づく情報開示義務の履行にも利用されている。
ストラテジーは12月初旬、ビットコイン価格下落を受けて通期業績予想を一転赤字に修正しており、同社株価は12月1日に一時12%下落し約1年ぶりの大幅安を記録した。市場では普通株売却による株式希薄化への懸念や、ビットコイン価格変動が業績に与える影響について議論が続いている。
一方、TDコーエンは同社が2027会計年度末までに約83万5,000BTCを保有する可能性があると予測しており、長期的なビットコイン価格上昇を前提とした強気見通しも存在する。同社の財務戦略の持続可能性と、ビットコイン価格の今後の動向が引き続き注目される。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.6円)


