大手仮想通貨取引所Binance(バイナンス)のリチャード・テンCEOは2025年12月30日、ビットコイン(BTC)は購買力の拡大により、長期的な価値保存手段として金や銀を上回る可能性があるとの見解を示しました。
加えて同氏は、ビットコインについて「明日の金融システムを支えるインフラだ」と述べています。
一方で銀については、電気自動車(EV)やAIチップ、太陽光パネル向けの需要拡大を背景に、短期的な注目を集めている資産であると説明しました。
テン氏の発言は、産業需要に左右されやすい銀と、金融インフラとしての役割を担うビットコインとの違いに言及した内容として注目を集めています。
BTC「2026年に金を上回る」
ビットコイン「2026年に金を上回る」キャシー・ウッド氏が語るAI時代とBTCの優位性
テン氏が引用で共有した画像では、1 BTCで購入できる金・銀の量が2010年から2025年にかけて飛躍的に増大している様子が示されています。
1 BTCで購入できる金・銀の量(画像:Binance X投稿)
ビットコインは発行上限が2,100万BTCと固定されたデジタル資産であり、その希少性と成長性によって価値が年々高まってきました。
実際、過去10年でビットコイン価格は約277倍(+27,701%)に上昇し、同期間の銀(+405%)や金(+283%)を上回る上昇率となっています。
銀については、足元でEV(電気自動車)やAI(人工知能)、太陽光産業による工業用途の需要増加や供給不足を背景に、2025年に記録的高騰を遂げました。
ロイター通信の報道によれば、2025年の銀価格はAI向けデータセンターや太陽電池、電気自動車分野の需要拡大も相まって年初来+165%という歴史的上昇率を記録し、同年の金(約+70%)を上回る勢いで高騰しました。
一方、近年はビットコインを巡る制度面での動きも進んでいます。
米国では2024年から現物ビットコインETFが相次ぎ承認・上場され、2025年末時点でこれらETFが保有するビットコイン残高は総額1,370億ドル(約21.3兆円)超とビットコイン全供給量の約7%に達しています。
また大手金融機関も仮想通貨市場に参入し始めており、米銀バンク・オブ・アメリカの顧問部門は顧客にビットコインETFを推奨可能とし、資産運用大手のバンガードも方針転換して約5,000万の顧客に仮想通貨ETFを提供し始めました。
一部の米大手銀行では富裕層顧客に総資産の1〜5%を仮想通貨で保有するよう勧める動きも見られ、ビットコインが投資ポートフォリオに組み込まれるケースが拡大しています。
これらの動向は「ビットコインが未来の金融基盤になる」というテン氏の主張とも重なるものであり、ビットコインがデジタル資産から主流金融市場へ組み込まれている状況を示しています。
「爆発的上昇から安定的リターンへ」
ビットコイン「爆発的上昇から安定的リターンへ」ビットワイズCIOが示す新局面
2025年はインフレヘッジ手段として金や銀が歴史的な高騰を遂げた一年でした。
対照的にビットコイン価格は、10月に過去最高値の12万5,000ドル(約1,960万円)超を付けた後に下落へ転じ、年末時点では年初来で約7%のマイナスとなりました。
ただし市場アナリストらは、このビットコインの一時的な値動きは、流動性環境や投資家心理の違いによるものだと指摘しています。
また、予測市場では、2026年に最も上昇が期待される資産としてビットコインがゴールドを上回り、上位に挙げられていることも報じられています。
現物ETFの拡大や金融機関の参入といった動きが続く中、ビットコインが主流金融市場でどのように位置付けられていくのかが引き続き注目されます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.36 円)
>>最新の仮想通貨ニュースはこちら
ビットコイン関連の注目記事はこちら
ブラックロック、2025年投資テーマでビットコインを本命視|現物ETF「IBIT」を中核資産に
ブラジル最大手銀行、ビットコイン1〜3%組入れを推奨|通貨防衛と分散効果を評価
ビットコイン「2026年に金を上回る」キャシー・ウッド氏が語るAI時代とBTCの優位性
Source:リチャード・テン氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像


