ドバイ仮想資産規制庁(VARA)は5日、暗号資産(仮想通貨)取引所MEXCを運営するMEXC Estonia OÜおよびMEXC Global LTD(商標名「MEXC」、ドメイン:mexc.com)に対し、ドバイでの無ライセンス営業を理由とした投資家・市場向けアラートを公表した。VARAの公式Xアカウントを通じて発表されたもので、同日にはクーコイン関連4法人への業務停止命令も発出されており、ドバイ当局が複数の大手海外取引所に対する規制行動を同時に実施した形となった。
VARAの公式通知によると、MEXCはドバイ法第4号(2022年)および内閣決議第111号(2022年)が定めるVASP(仮想資産サービスプロバイダー)ライセンスを一切保有していない。ドバイ内外を対象としたMEXCの仮想資産関連サービスは、すべてVARA規制への違反にあたると認定された。
VARAは「MEXCに関するいかなる宣伝・広告・勧誘活動もVARAの承認を受けていない」と明言し、ドバイ在住の投資家・消費者に対しMEXCとの取引を回避するよう呼びかけている。無登録業者との取引は財産上のリスクに加え、規制違反や刑事法令に抵触する法的リスクも伴うと警告した。
なお、同日発出のクーコイン通知には「cease and desist(業務停止命令)」の文言が明記されているが、MEXCへの通知にはその記載がない。両者は同一カテゴリの「Warning Notice(警告通知)」に分類されているものの、クーコインへの措置の方がより強制力を持つ内容となっている。
VARAは同じ5日、クーコイン関連の4法人に対し、無認可営業を理由とした即時業務停止命令を発出した。MEXCへの警告と同日の措置で、ドバイ当局が大手海外取引所への規制を一斉に強化した動きとして受け止められている。
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MEXCの日本における規制状況は、クーコインと同様だ。金融庁は2023年3月31日(1回目)と2024年11月28日(2回目)の2度にわたり、MEXCを「無登録で暗号資産交換業を行う者」として警告を発出している。2回目の2024年11月28日は、クーコイン・バイビット・ビットゲット・ビットキャッスルとともに5社が同日一括で対象となった。
同じ警告対象であるバイビットはすでに日本撤退を決定済みで、2026年3月23日正午からクローズオンリーモードを適用、同年7月22日正午には日本居住者の全ポジションを強制決済するスケジュールが確定している。MEXCとクーコインは現時点で明示的な撤退宣言をしていないが、今後の規制動向によっては同様の対応を迫られる可能性がある。
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金融庁の警告はあくまでMEXC側への行政上の指摘であり、日本人ユーザーの利用を直接禁じるものではない。MEXCは引き続き日本語サービスを提供しており、口座開設・取引は現在も可能な状態にある。円建ての入出金には非対応で、利用上のトラブルは原則自己責任となる点に注意が必要だ。
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