2025年10月の価格急落を起点に、仮想通貨市場全体の取引活動が5ヶ月連続で縮小しています。
CryptoQuantのデータによると、2026年3月時点のCEX総取引高は$4.3兆と2024年10月以来最低水準に落ち込みました。
3月の内訳を見ると、無期限先物(perps)が$3.5兆を占め、現物取引の$0.8兆に対して約4倍の規模となっています。
レバレッジを使って利益を増幅できるperpsへのトレーダーの集中は、現物需要が乏しいなかでも投機的な取引欲求が残存していることを示しています。
ただし、perps取引高も過去5ヶ月連続で減少しており、投機的関心全体が冷えていることは変わりません。
市場参加者の選好が「所有する」から「レバレッジをかけて取引する」に移行している構造的な変化とも読み取れます。
Binanceの現物市場シェアは2025年10月の37.5%から32%へと約5ポイント低下しました。
年初来の現物取引高は約$1兆にのぼり、2位のMEXC($2,630億)や3位のBybit($2,060億)を大きく引き離しています。
Bybitと HTXはシェアで7%前後に並び、Coinbaseは6.6%で5位に位置しています。
一方でデリバティブ市場では、Binanceは40%のシェアを維持しており、流動性の深さが競合との差別化要因として機能しているとみられます。
CoinGlassのデータによると、Binanceが先物市場でシェアを保っているのは豊富な流動性に起因するものと分析されており、価格競争だけでは追いつけない構造的な優位性が存在します。
Binanceのシェア低下は競合他社の追い上げを示すものですが、同時に市場全体の縮小という文脈でも読む必要があります。
取引高が半減した環境では、シェア拡大と絶対量の増加は別の話であり、2位以下の取引所も同様に厳しい環境に置かれています。
中東情勢の緊張が続くQ2において、取引高の本格回復がいつ訪れるかは見通しが難しい状況です。
ビットコインが$70,000台を維持しているにもかかわらず取引量が低迷しているという乖離は、現物需要よりもETFや機関投資家経由の保有需要がオンチェーン・取引所活動に反映されにくい構造を示唆しています。
RWA(現実資産)先物がBinanceで急成長している点は、取引所競争の次の軸が「トークン化資産」にある可能性を示しています。
規制整備の進展に合わせて、既存の現物・perps競争から一歩進んだ新商品での差別化が、各取引所の中期的な成長戦略として浮上してくるかもしれません。


